運用型広告の特性上、複数のクリエイティブやタイトルを出稿して反応の違いを検証し、最適化していく手法が一般的になっている。LINE広告においても同様で、表現の幅を持たせた複数のタイトルを入稿した方が、ユーザーから得られる反応は高くなる傾向にあると認識されている。
ただし、それは通説に過ぎず、データを根拠に明示される機会はほぼなかった。今回、複数タイトル配信による広告の反応率の違いについて、定量的に検証した結果を紹介する。
データの集計方法について
期間:2021/9/4(土)~2021/10/1(金)
対象:平均日予算10万円以上300万円以下の広告グループのうち、タイトルが2種類以上配信された場合のCTRのリフト値をフォーマット別に集計
広告単位ではなく、広告グループ単位でタイトルの種類を判定してCTRを集計・比較。クリエイティブの種類は考慮せず、タイトルが1種類か複数なのかに絞って配信結果を考察する。
分析結果
下の図では、それぞれ配信フォーマット別にタイトル1種類と2種類以上を配信した際のCTRの結果についてまとめている。
結果、特に静止画と動画のフォーマットにおいて、それぞれ58%、153%と2種類以上のタイトルの方がCTRは増加。全てのフォーマットにおいて2種類以上のタイトル配信が優れた数値となった。
結果に対する考察
今回の結果に対しては、以下、2つの要因があると推察される。
複数のタイトルを配信する場合、1つのタイトルのみで配信した場合よりもユーザーにクリックされやすいタイトルが含まれる可能性が高い。(結果的にCTRが高くなる可能性が高い)
eCPMが高いタイトルが含まれる可能性が高く、結果的にオークションでも勝ちやすくなった
LINE広告の場合、各配信面にどの広告が表示されるかは、リアルタイムのオークションによって決定される。
タイトルのトレンド
単純に複数のタイトル配信だけでなく、今回の分析によって、タイトルテキストのバリエーションについても以下のようなトレンドが見受けられた。
※紹介している例は、配信効果および広告審査通過を保証する内容ではございません。
※効果を逸脱した表現はNG対象となりますのでご注意ください。
※実際の案件のクリエイティブをもとにマスクした内容となっております。
※年齢や年代に関わる表現でユーザーの不安を煽るような表現は審査でNGとなる可能性がございますのでご注意ください。
※環境と記号の組み合わせによって、記号の表示が正しくされない場合がございますので、ご注意ください。
※広告の表現の意向が不明瞭であり、商材やサービスの訴求内容がわかりにくいものは審査でNGとなる可能性がございますのでご注意ください。
※訴求内容が不明瞭かつ目立たせることだけを優先しているように思われる表現は審査でNGとなる可能性がございますのでご注意ください。
今回、複数のタイトルで広告を配信することで、CTRが改善されることを定量的に分析することができた。これを踏まえ、今後はさらに要因分析の深掘り、業界別に傾向があるのかなどを明らかにし、データを蓄積させることで効果予測やレコメンド機能も充実させていきたい。