LINE公式アカウントのメッセージ配信では、性別や地域などの属性、クリックやインプレッションなどのオーディエンスを元にした絞り込み配信により、配信効果を効率化することができる。サービスの仕様上、これまでユーザーの電話番号やメールアドレスでのオーディエンスは作成できなかったが、ビジネスマネージャーの利用によって、それが可能になった。
※弊社プライバシーポリシーに同意したユーザーのみに配信
実際、電話番号オーディエンスを利用し、LINE公式アカウントからさまざまなキャンペーン情報を配信している株式会社エモテントの事例を紹介する。
実施内容
健康食品や化粧品などの通信販売を手掛ける株式会社エモテントは、LINE公式アカウントで定期的にメッセージを配信しているが、絞り込み配信のターゲティング精度について課題を感じていた。
本来、LINE公式アカウントを経由して購入経験があるユーザーと未購入ユーザーを区別して配信を希望していたが、LINE Tagを用いたターゲティングだけでは難しい。結果、LINE Tagから取得可能な一部のコンバージョンユーザーと、それ以外のコンバージョンしていないユーザーで区別して配信をするしかなかった。
そんな中、ビジネスマネージャーの利用で企業が保有する電話番号とメールアドレスでのオーディエンス作成が可能になり、LINE公式アカウントを経由してコンバージョンしたユーザーと、コンバージョンしていないユーザーに区別してメッセージ配信が実施できるようになった。
※紹介するキャンペーンは、いずれも「LINE経由で過去に商品を購入したことがある友だち」に対し、クロスセルを目的とした配信結果である。
リラックス茶キャンペーン
事前にユーザーの悩みについてメッセージで募集し、「睡眠」や「ストレス」と回答したユーザーが多かったという結果から、機能性リラックス茶を紹介するキャンペーンメッセージを実施。その際にビジネスマネージャーを利用し、電話番号オーディエンスで配信を行った。
周年キャンペーン
販路拡大を目的に、これまでLINE以外のプラットフォームで実施していた会員向け周年記念キャンペーンの案内を、「LINE公式アカウント経由で過去に商品購入をしたことがある友だち」に向けて配信。その際、ユーザーが過去に購入した商品ごとに電話番号でオーディエンスを作成し、メッセージ内容や遷移先が異なる複数のメッセージ配信を実施した。
生姜青汁キャンペーン
新商品のキャンペーンにおいて、LINE公式アカウント内にいる会員向けに新商品(生姜青汁)の案内を配信した。他チャネルでの配信結果が良好だったため、閲覧率や反応率に優れたLINE公式アカウントからも配信を実施したが、その際、LINE公式アカウントで実施したキャンペーン購入者の電話番号オーディエンスを作成し、メッセージ配信を行った。
・LINE公式アカウント経由での購入者と未購入者を区別してメッセージを配信することができた
・以前はLINE Tagで取得した購入者に配信していたが、今回はそれ以外も含まれる電話番号をオーディエンスとした配信をしたところ、配信母数が約10倍に増加した
・エモテント側で保有しているユーザーの購買データを活用し、商品ごとのオーディエンスの作成、さまざまな条件付けをした電話番号オーディエンスが作成できるようになった
※本記事内の実績はエモテント調べによる数値です
株式会社エモテントでは、コミュニケーションメッセージの配信により顧客のロイヤリティーを高めているとの背景もあり、チャットにて身体の悩みや相談を受け付け、誠実に1件1件返信している。
今回のように、電話番号オーディエンスを利用することでコンバージョンユーザーが特定できたことにより、適切なメッセージ送付が可能になり、顧客のロイヤリティーが向上したと考えている。
「ビジネスマネージャーは開発が必要だと思っておりましたが、実際は不要で簡単に導入できました。また、電話番号オーディエンスを利用するため、過去に購入実績のあるリピート会員へのリーチの正確性が非常に高く、関連するメッセージの送付を行えるので、キャンペーンへの反応が良い傾向が見られました。日頃からお客さまとのコミュニケーションを意識した配信と、ビジネスマネージャーを利用して適切なユーザーに適切な配信を行うことも重要だと考えています」(株式会社エモテント 担当者)
LINE公式アカウントで電話番号オーディエンスを活用した配信例(業種別)
今回のように、ビジネスマネージャーを利用して電話番号やメールアドレスの自社データを活用したLINE公式アカウントのメッセージ配信を行う企業が増えてきており、今後も利用数は増加すると考えられる。